霰粒腫について
霰粒腫とは、まぶたの中にある**マイボーム腺(油を分泌する腺)**が詰まり、慢性的な炎症を起こすことでできるしこりです。
初期にはまぶたの腫れや違和感が生じ、進行すると硬いしこりとして触れるようになります。
細菌感染を伴うと赤く腫れて痛みが出ることもありますが、多くの場合は痛みの少ない慢性のしこりとして経過します。
霰粒腫は自然に小さくなることもありますが、長期間残る場合には
- 点眼・軟膏による治療
- 温罨法(まぶたを温める治療)
- 切開手術
などが行われることがあります。
近年では、**マイボーム腺の詰まりを改善する治療としてIPL(光治療)**が霰粒腫の治療にも応用されるようになってきました。
IPLによる霰粒腫治療
IPL(Intense Pulsed Light)とは、複数の波長を含む光を短時間照射する治療法で、皮膚科や美容皮膚科の分野で長年使用されてきた安全性の高い光治療です。 眼科領域では主にドライアイやマイボーム腺機能不全(MGD)の治療として使用されていますが、 霰粒腫の原因であるマイボーム腺の詰まりや炎症を改善する効果が期待されることから、近年霰粒腫の治療にも応用されています。
IPLの効果
IPLには以下のような作用があると考えられています。
マイボーム腺の詰まりを改善する作用
光の温熱効果により、マイボーム腺内で固くなった油脂を溶かし、分泌を改善します。
炎症を抑制する作用
まぶた周囲の慢性的な炎症を抑えることで、霰粒腫の改善を促します。
細菌やデモデックス(まつ毛ダニ)の減少
まぶたの炎症の原因となる微生物の減少が期待されます。
血流改善作用
まぶた周囲の血流が改善することで、炎症の回復を促進します。
これらの作用により、霰粒腫の原因となるマイボーム腺の機能障害を根本から改善することが期待されています。
IPL治療のメリット
IPLによる霰粒腫治療には以下のような特徴があります。
- 切開手術を行わないため傷跡が残りにくい
- 治療時間が短い(5〜10分程度)
- ダウンタイムがほとんどない
- マイボーム腺機能不全やドライアイの改善も期待できる
霰粒腫が繰り返しできる方や、切開手術を避けたい方に適した治療方法の一つです。
当院のIPL治療
当院では、IPL治療機器 AQUA CEL(アクアセル) を使用しています。
施術時間はおおよそ 5分程度 です。
施術の流れ
- ベッドに横になり、目を閉じていただきます
- 専用のアイシールド(保護シール)を装着します
- まぶた周囲に保護ジェルを塗布します
- 頬・こめかみ・まぶた周囲にIPLを照射します
- 照射後、ジェルを拭き取って終了です
照射部位はメイクを落とす必要がありますので、来院時はお化粧をせずにお越しください。
施術後は肌が紫外線に敏感になるため、日焼け止めを塗布してからご帰宅いただきます。ご自身の肌に合った日焼け止めをご持参ください。
IPLの治療期間
霰粒腫の状態や炎症の程度によって異なりますが、
2〜4週間間隔で数回の治療を行うことで改善が期待されます。
また、霰粒腫の再発予防やマイボーム腺機能改善のために、定期的な治療をおすすめする場合があります。
IPLの副作用
- 照射時に一瞬、ピリッとした刺激を感じることがあります
- 肌質や肌の色によって、赤み、ほてり、ヒリヒリ感が出る場合があります
- ごくまれに、かさぶたや水ぶくれが生じることがあります
症状が気になる場合には、患部の冷却をおすすめします。
禁忌
以下に該当する方は、IPL治療を受けられません。
- 妊娠中・授乳中の方
- 紫外線アレルギーなど、光線過敏症のある方
- 光感受性を高める薬剤を内服または外用している方
- 糖尿病、アルコール中毒のある方
- 日焼けをしている方、または日焼け予定のある方
- スキンタイプⅥ(暗褐色の肌)の方
- ケロイド体質の方
- てんかん発作の既往がある方
- 血液凝固異常のある方、免疫抑制剤を服用中の方
- 前がん病変、皮膚がん、または皮膚がんの既往がある方
- 眼疾患の急性炎症期
費用
IPL治療は保険適用外の自費診療となります。
- 1回 8,000円(税込)
※検査代・診察代を含みます。